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2017.07.10
福井大学を責任大学として県内4年制大学と福井県や福井県商工会議所連合会などで組織する
「ふくいCOC+事業推進協議会」は7月1日、「地(知)の拠点整備事業(COC)/地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+) シンポジウム」を開催しました。地方において人口減が進み、企業の人材確保が困難になる中、採用の在り方を考える契機とするために企画し、企業・自治体・大学等約110団体、200名が参加しました。
開会にあたり、福井大学の眞弓 光文学長(ふくいCOC+事業推進協議会議長)が「福井県の有効求人倍率が東京都を抜いて全国1位となったが、大学への入学、卒業、就職を契機とした若者の県外流出が続いている。本シンポジウムが各企業の採用力に寄与し、大学として地域の活性化に役立ちたい」と挨拶しました。
基調講演では、横浜国立大学大学院の服部 泰宏准教授が「今、求められる採用力~神は細部に宿る~」をテーマに、新潟県の製菓会社を一例にあげ、「カフェテリア採用」と称した、おせんべいへの愛をプレゼンする「おせんべい採用」など17種類の多様な採用パターンの設定などを紹介。「『採用力』とは、企業が採用に使えるリソース(有形・無形の経営資源)と、採用デザイン力(採用方法の設計とオペレーション)を掛け合わせたものであるが、評価には面接官のバイアスが入りやすい。評価を学生にフィードバックして丁寧にフォローし、信頼関係を築くきめ細かな対応が学生の心に響く」と述べました。
続いて、県内企業担当者ら5名をパネリストに「新たなステージに来た採用現場」と題したパネルディスカッションを行いました。社員の採用場面への参加や、イベントによる組織の一体感づくり、内定辞退の一因である親の不安を取り除くための方策など、各企業の選抜手法や具体例を紹介。採用する側にとって「採用とはなにか。どう対処していけば良いのか」を考える契機となりました。
最後に、ふくいCOC+事業責任者である岩井 善郎理事・副学長から、「地方創生の中で若者の地元定着化は喫緊の課題であるが、採用に繋がっていない現状など貴重なご意見をいただいた。学生が社会・地域にどう貢献し、どう生きるか、地域創生に大学がどう関わるのかを考えなければならない。各種団体の皆様と連携し、次の世代に繋がるよう学生を育てていきたい。これまで以上のご支援をお願いしたい」と話しました。
パネリストは下記の方々でした。
[パネリスト]
■横浜国立大学 准教授 服部 泰宏 氏
■株式会社松浦機械製作所 管理本部主事 上村 誠 氏
■株式会社タッセイ 代表取締役副社長 田中 陽介 氏
■シナジー経営株式会社 代表取締役 北出 慎吾 氏
(福井商工会議所 青年部会長)
■福井大学 キャリア支援室長 大橋 祐之
[司会・進行]
■福井大学 参与
COC+推進コーディネーター 舟木 幸雄